彼がこれまでに演じてきた人物たちを思い返すと、ひとつの共通点に行き当たる。どのキャラクターも、脚本の文字を超えて「生きた人間」としての体温と摩擦を感じさせるのだ。『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』で見せた純粋で不器用なヤンキー役では、視覚障害を持つヒロインに寄り添う誠実な仕草が世代を超えた共感を呼んだ。単なる恋愛ドラマの枠組みに留まらない、人と人が分かり合う痛さと温もりを繊細に掬い取っていた。
テレビドラマという制約の多いフォーマットの中で、彼ほど沈黙を雄弁に語らせる役者も珍しい。台詞のない数秒間、視線の揺らぎひとつで登場人物の葛藤を表現してしまう。その佇まいには、計算された演技を超えた生々しい説得力が宿っている。