リーチサイトが長らく放置されていた背景には、日本の著作権法における「送信可能化権の侵害」の解釈問題がありました。従来の法律では、ファイルをサーバーに置く行為(アップロード)は処罰できても、「リンクを貼る行為」そのものを直接取り締まる規定が不十分だったため、著作権侵害の「幇助(ほうじょ)」としての立件に高いハードルが存在したのです。
この法的な抜け穴を塞ぐため、2020年6月に成立した「著作権法改正」により、リーチサイトおよびリーチアプリに対する直接的な規制(同年10月1日施行)が導入されました。
法改正によって新設された規制と罰則の概要は以下の通りです。
- リーチサイト・アプリの運営行為:海賊版へのリンクを公衆に提供することを主目的とするサイト運営者に対し、「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはその併科」(法第119条第2項第4号・第5号)。
- 違法リンクの提供行為:そうしたサイト等において侵害コンテンツへのリンクを掲示・提供した者に対し、「3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその併科」(法第119条第2項第4号)。
- 民事上の請求:著作権者による「差止請求」や「損害賠償請求」の対象としても明確に位置づけられました。
さらに2021年1月からは、漫画・書籍・論文・プログラムなどを含むすべての著作物を対象とした「ダウンロード違法化」の適用範囲拡大も施行され、リーチサイトを取り巻く法包囲網は完全に完成しました。