「いつも買っていた店舗から忽然と姿を消した」――この現象が、消費者の間でハーバルエッセンスの販売終了の理由として様々な憶測を呼ぶ発端となりました。調査を進めると、完全なブランド消滅ではなく、流通と市場環境の構造変化が背景にあることが浮かび上がってきます。
第1の要因は、P&Gによる大規模なブランドリニューアルです。2000年代に大ヒットした「クラシックシリーズ」は順次生産終了となり、植物発想のプレミアムライン「ビオリニュー(bio:renew)」への世代交代が進められました。旧製品に愛着を持っていた層からすると「いつも使っていたボトルが廃盤になった」と受け取られたわけです。
第2に、ドラッグストアにおける棚割り競争の激化が挙げられます。近年のヘアケア市場は1,500円前後のボタニカル系・アミノ酸系シャンプーが乱立し、棚の入れ替わりが極めて激しくなりました。その結果、一般の薬局チェーンでは定番落ちする店舗が相次ぎました。
第3は、国内向け製品と海外並行輸入品の流通ルートの分離です。実店舗での取り扱いが限定的になったことで、ハーバルエッセンスの廃盤が現在も進行形であるかのような誤解が定着してしまったといえます。