私たちが日常で多用する「やったー」という言葉は、国語学的には動詞「遣る(やる)」の連用形に助動詞「た」が接続し、語尾が長音化した感嘆表現です。漢字表記では「遣ったー」と書かれ、本来は「物事を最後まで成し遂げた」「思い通りの結果を実現させた」という完了と達成の意味を内包しています。
国立国語研究所の言語資料や近世語の研究データによると、江戸時代後期から明治期にかけて、口語表現として「やりおおせた」「遣って退けた」という言い回しが庶民の間で広く使われていました。これが昭和初期の口語文化のなかで簡略化され、純粋な歓喜を表す間投詞(感嘆詞)として独立したという説が言語学界では有力です。
一方で、やったーの由来には諸説が存在します。狩猟採集時代や合戦の場で獲物・敵を「討ち取った(やった)」という武勇の報告が転じたとする民俗学的見解や、他者への働きかけが成功した際の掛け声が定着したという説など、時代とともに多様な文脈で解釈されてきました。いずれの説においても共通しているのは、「自らの能動的なアクションによって望ましい状態を引き寄せた」という強い自己効力感の表出である点です。