日本野鳥の会の歴史は、1934年(昭和9年)に歌人であり僧侶でもあった中西悟堂(なかにし ごどう)によって設立されたことに始まります。当時、鳥といえば籠に入れて飼育して鳴き声を楽しむ「飼い鳥」が主流だった日本社会において、中西悟堂は「野にある鳥は野にあれ」という革新的な思想を唱えました。自然のままに生きる鳥を野外で観察し愛でる「バードウォッチング」という言葉と文化を日本に定着させた立役者です。
組織は現在、公益財団法人として運営されており、全国に80を超える連携団体を持ち、サポーターを含めた会員規模は約4万人を数えます。その活動の柱は、単なるバードウォッチングの普及にとどまりません。北海道のウトナイ湖や鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリをはじめとする自然保護区(サンクチュアリ)の設置・保全を主導し、シマフクロウやタンチョウといった絶滅危惧種の保護活動、風力発電施設のバードストライク調査など、学術的根拠に基づいた環境保全の提言を続けています。