赤井はあとが歩んできた道のりは、VTuber業界の拡大スピードと個人が背負う負荷のせめぎ合いそのものでした。過去に複数回にわたって発表された活動休止の経緯を時系列で辿ると、主に3つの構造的要因が浮き彫りになります。
第1の要因は、「海外留学生活と配信活動の極限的な並行」です。高校時代をオーストラリアで過ごしていた彼女は、現地での学業、単身生活のストレス、時差を抱えながらの深夜配信という三重苦に直面していました。当時の配信内で「画面の向こうのリスナーだけが居場所だった」と涙ながらに吐露した生々しい告白は、過酷な生活環境を如実に物語っています。
第2の要因は、「深刻な身体的コンディションの悪化」です。2023年春から秋にかけての約8ヶ月におよぶ最長休止期間においては、インフルエンザ罹患をきっかけとした体調の急変、喉の深刻な不調、それに伴う極度の体力低下がカバー株式会社から公式にアナウンスされました。一時はステージ復帰が危ぶまれるほどの療養期間を要しました。
第3の要因として見逃せないのが、「表現の先鋭化によるメンタルの消耗(バーンアウト)」です。視聴者の期待に応えようと過激なコンテンツを次々に生み出す過程で、自身のアイデンティティが摩耗していく現象に直面していました。