世の憧憬を集めるハリーウィンストンの婚約指輪ですが、その値段は定価が一律に決まっているわけではありません。ダイヤモンドは一つひとつ個体差があり、ハリーウィンストンが定める厳格な基準に合致した石のみがリングへと仕立てられるためです。
ハリーウィンストンのダイヤモンドは、国際基準である4C(カラット、カラー、クラリティ、カット)において、カラーはトップクオリティである「D・E・F」の無色透明グレードのみ、クラリティも「VS1」以上という極めて高い水準しか採用しません。2カラットという大粒の原石でこの基準をクリアする個体は地球上にわずかしか存在せず、それ自体が価格を大きく押し上げる要因となっています。
2026年現在の市場動向を追うと、ハリーウィンストンの2カラットの価格相場は、代表的なソリティアタイプである「クラシック・リング」で約1,600万〜2,400万円前後からスタートします。さらに、周囲に精緻なメレダイヤを敷き詰めた「マイクロパヴェ・リング」などの手の込んだデザインや、カラーがD、クラリティがVVS1やFL(フローレス)といった最高峰ピースになると、価格は3,000万円を軽々と超える水準に達します。
近年の高級宝飾市場では、金やプラチナなどの貴金属地金価格の高騰に加え、採掘コストの増大、歴史的な円安基調が重なり、2024年から2026年にかけて段階的な価格改定が実施されてきました。数年前に「1,000万円台前半で手が届く」と考えられていたグレードであっても、現在では大幅に基準ラインが切り上がっているのが紛れもない現実です。