インターネット上や旅行コミュニティでは、トルコの地理や社会に関して事実と異なる先入観がしばしば独り歩きしています。ここで代表的な誤解を解いておきましょう。
最大の誤解の一つが「トルコ人はアラビア文字を使い、アラビア語を話している」というイメージです。前述の通り、公用語はトルコ語であり、文字は1928年の文字改革以降、完全にラテン文字(アルファベット)が使用されています。街中の標識や案内板もすべて英語と同じアルファベット表記(一部特有のウムラウト記号などを含む)であるため、旅行者がアラビア文字の解読に悩まされることはありません。
また、「国土のほとんどが砂漠に覆われている」というイメージも完全な間違いです。アナトリア半島は豊かな山岳地帯やステップ気候、地中海性気候に恵まれており、オリーブや小麦、ヘーゼルナッツの世界的産地です。四季がはっきりと存在し、冬のアンカラやカッパドキアでは厳しい降雪に見舞われるなど、一般的な中東の砂漠地帯とはまったく異なる風土が広がっています。
【プロの結論】トルコ理解を深めたい人・旅行を計画する人の判断基準
「トルコはヨーロッパかアジアか」という問いに向き合う際、旅行者やビジネスパーソンはどのような視点を持つべきでしょうか。旅やビジネスの目的によって、トルコが持つどの側面にフォーカスすべきかが変わってきます。
【トルコ渡航・ビジネスに向いている人】
・歴史や多文化の融合を体感したい知的好奇心の強い人
・ヨーロッパの洗練された街並みと、アジア・イスラム圏の温かいもてなしの双方を一度に味わいたい人
・グローバルビジネスにおいて、欧州・中東・中央アジアを結ぶハブ拠点を模索している企業
【慎重な下調べが必要な人】
・「完全な西欧先進国」としてのインフラや治安基準、あるいは「厳格なイスラム戒律社会」という単一のステレオタイプを期待している人
・現地の地域差(大都市部と東部内陸部での文化的保守性の違い)を考慮せず、無用なトラブルを避けたい人