国獣こそ指定されていないものの、他の分野に目を向けると日本の象徴生物は複数存在します。代表例が、1947年に日本鳥学会によって選定された日本の国鳥であるキジ(雉)です。キジは日本固有種であり、古事記や日本書紀、昔話『桃太郎』にも登場する文化的親しみやすさや、母性愛の強さが選定の決め手となりました。
また、植物の世界では皇室の紋章である「菊」と、国民に広く愛される「桜」が事実上の国花として定着しています。水産分野でも、2022年に全日本錦鯉振興会などの働きかけもあり「錦鯉」が国魚(こくぎょ)としての推薦・認知を広げました。鳥類や植物、観賞魚が時代ごとの民間団体や文化的合意によって選ばれてきた一方で、哺乳類に関しては全国的な選定運動が本格化しなかったという経緯があります。