昭和の高度経済成長期から別府観光を牽引してきた杉乃井ホテルは、2019年から段階的な建て替え・全面リニューアルに着手しました。その過程で多くのリピーターに衝撃を与えたのが、長年親しまれてきた「本館」の閉館と解体です。
一部のネットコミュニティでは「経営不振による規模縮小ではないか」という根拠のない憶測も囁かれました。しかし、運営元であるオリックス不動産の公式発表資料や業界の財務データを検証すると、真相は全く正反対であることが分かります。築年数の経過に伴う新耐震基準への抜本的な適合、そして旧来の大型宴会・団体旅行型旅館から、個人の多様なニーズに応える「滞在型ウェルネス・エンターテインメントリゾート」へと構造転換を図るための、極めて前向きな戦略的投資でした。
プロジェクトは綿密なロードマップに基づいて進行し、2021年の「虹館」、2023年の「宙館」の開業、さらには名物露天風呂「棚湯」の全面刷新を経て、最終章となる「星館」の誕生によって壮大なグランドオープンを迎えました。旧態依然とした巨大旅館の枠組みを完全に脱ぎ捨て、国際水準のリゾートホテルへと再生を果たしたのが現在の実態です。