ネット上やSNSには無数のヘアケア情報が飛び交っていますが、中には毛髪構造を無視した危険な俗説が紛れ込んでいます。冬の静電気に悩む読者が良かれと思ってやってしまいがちな代表的なNG行動を検証します。
最大の落とし穴は、「静電気は乾燥が原因だから、トイレの手洗い場で水をつけて撫でつける」という応急処置です。その場では水分によって髪が一時的に落ち着いたように見えますが、これは絶対におすすめできません。毛髪についた水分が蒸発する際、髪の内部にもともと存在していた大切な結合水まで一緒に抱え込んで気化してしまう「過乾燥(オーバードライ)」を引き起こすためです。結果として、水が乾いた数十分後には処置前よりもキューティクルが毛羽立ち、さらに強烈な静電気を誘発する悪循環に陥ります。
また、プラスチック製やナイロン製の安価なブラシで乱暴に髪を梳かす行為も自爆行為に他なりません。合成樹脂と人間の毛髪が激しく擦れ合うと、わずか数回のストロークで数千〜1万ボルトに達する高電圧の静電気が発生します。髪を整えるつもりが、自ら毛髪に強力な電荷をチャージし、摩擦熱でキューティクルを破砕している現実に気づく必要があります。