ネット検索で「おともだち 雑誌」と入力すると、関連語に「休刊」という不穏な言葉が表示されることがあります。しかし、事実として『おともだち』は休刊していません。この噂が広まった背景には、講談社が断行した幼児誌の刊行サイクルの転換があります。
かつて昭和から平成にかけて、『おともだち』は毎月1日に欠かさず書店へ並ぶ「月刊誌」でした。しかし、国内の少子化進行に伴う読者層の絶対数減少に加え、原材料費・物流コストの高騰が直撃します。毎月700円〜800円の薄利多売モデルで紙の付録を配給し続けるビジネスモデルは、2020年代に入り構造的な限界を迎えていました。
そこで講談社は、読者の購買行動を精緻に分析。親世代が「毎月細かな雑誌を買うよりも、数か月に一度、確かな品質の玩具が付いた特別な1冊を買い与えたい」とシフトしている実態を捉え、「3か月合併号」を基本とする大型刊行形態へシフトさせたのです。
この刊行形態の変更により、書店店頭に並ぶサイクルが年12回から年4回前後へと減少しました。店頭で目にする頻度が落ちたことで、「そういえば最近見かけないが、休刊したのではないか」という誤認がネット上で拡散されたのが真相です。
価格推移についても、かつてのワンコイン〜数百円台から、現在は1,500円〜1,800円前後へと上昇しています。しかしこれは単なる値上げではなく、数千円クラスの市販トイに匹敵するギミックを付録化し、1冊で3か月間たっぷり遊べる厚みを持たせた「高付加価値化戦略」の結果といえます。