ネット検索で「リットン調査団」と入力すると、関連ワードとして真っ先に浮上するのが「解散」という不穏な二文字です。長年彼らを追ってきたファンであっても、地上波のレギュラー番組で二人揃った姿を見かける機会が減ったことで、「ひっそりとコンビ活動に終止符を打ったのではないか」と不安を抱くケースは少なくありません。
公式発表資料および吉本興業の公式プロフィールを確認すると、リットン調査団は解散しておらず、現在も正式なコンビとして吉本興業に所属しています。公式のタレント一覧にも二人の名前はしっかりと掲載されており、コンビとしての籍は完全に保たれています。
では、なぜこれほどまでに「解散説」が定着してしまったのでしょうか。その背景には、2000年代以降に顕著となったピン活動へのシフトがあります。後述するように、ツッコミの藤原光博が俳優として映像作品に軸足を移し、ボケの水野透が舞台プロデュースや小劇場ライブ、構成活動を精力的に行うようになった結果、「リットン調査団」という看板でのテレビ出演が激減したことが、視聴者に「コンビ解消」という誤解を植え付けました。
二人の原点は、桃山学院大学時代に水野が立ち上げた「プロレス研究会」での出会いに遡ります。当時、学生プロレス界で「バイブ藤原」のリングネームで暴れ回っていた藤原を、大学卒業後に芸人を志した水野が「俺は黒澤になる、お前は三船になれ」と口説き落とし、1986年1月に正式結成されました。映画監督の黒澤明と名優・三船敏郎になぞらえたこの結成秘話が示す通り、二人の関係は単なる「ベタベタ仲良しコンビ」ではなく、互いの才覚を認め合った表現者同士の契約という側面を色濃く持っています。それゆえに、個々の表現領域が広がった現在も、コンビという母港をあえて解散する必要性がないのです。