中里ダム貯水率のリアルタイム現況と渇水懸念|取水制限と三重用水の真相

中里ダム貯水率のリアルタイム現況と渇水懸念|取水制限と三重用水の真相

中里ダム貯水率のリアルタイム現況と渇水懸念|取水制限と三重用水の真相を徹底追究! 読者が気になる トピックの裏側を凝縮して配信します。

なぜここまで中里ダムの水位低下が懸念される事態に至ったのでしょうか。その決定的な理由は、気象条件である中里ダムの雨量と降水量の極端な減少に加え、三重用水という巨大インフラが持つ「独自の集水構造」にあります。

一般的な多目的ダムは、背後に広大な集水域(流域)を持ち、山に降った雨が自前の河川から直接ダム湖に流れ込みます。ところが、中里ダムは員弁川水系大山田川の最上流部に位置しているものの、ダム自体の集水面積は極めて狭く、自前の川の自然流入量だけでは巨大な貯水容量を満たすことができません。実態としては、岐阜県境を流れる牧田川の上流(打上調整池)や、遠く揖斐川の水をトンネルや水路橋で導水して貯留する「ため池型の調整池」としての性格を色濃く持っています。

この特殊な構造が、今回の渇水リスクにおいて裏目に出てしまっています。上流部の山間部で十分な雨が降らなければ、大元の取水河川の流量が落ち込み、中里ダムへ導水する幹線水路の水量を絞らざるを得なくなります。つまり、いなべ市周辺に雨が降らないことだけでなく、水源地である揖斐川水系の雨量不足が連鎖して、中里ダムへの補給がストップしてしまうわけです。

さらに、初夏から初秋にかけての猛暑による蒸発量の増加と、北勢地域の広大な田畑を潤す農業用水需要のピークが重なったことが、貯水率急落の大きな要因となりました。自然の降雨不足と人工的な導水制約が重なるこの現象こそ、中里ダムが渇水時に急速に水位を落とす構造的な真相です。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。