日本国内のレギュラーツアーを経由せずとも、才能と明確な戦略があれば世界最前線へ直結できる――久常涼が歩む足跡は、日本男子ゴルフの歴史において極めて先駆的なロールモデルとなっています。2020年のプロ転向直後、下部のABEMAツアーで年間3勝を挙げて瞬く間に賞金王へ輝くと、2022年末の欧州ツアー予選会(Qスクール)に果敢に挑戦。見事に突破を果たした翌2023年、「カズーオープン・ド・フランス」で青木功、松山英樹に次ぐ日本人史上3人目の欧州ツアー制覇を成し遂げました。
この歴史的勝利と安定した成績が評価され、DPワールドツアーにおける日本人初のルーキー・オブ・ザ・イヤー(サー・ヘンリー・コットン・アワード)を受賞。翌シーズンのPGAツアー出場権を手中に収めると、戦いの場をアメリカ本土へと移しました。2024年以降のPGAツアー成績においても、ウィンダム選手権をはじめとするビッグトーナメントで上位争いに加わり、シード権争奪戦を涼しい顔でクリア。世界ランキングも一時的な急上昇にとどまらず、トップ50戦線に定着する堂々たるスタッツを残しています。
かつて国内男子ツアーで賞金王を獲得したトップ選手たちですら苦しめられた「PGAツアーの厚い壁」を、久常涼はいとも軽やかに乗り越えてみせました。その戦いぶりは、現地の米メディアからも「恐れを知らない新世代のストライカー」として高い評価を獲得しています。