門脇麦の料理好きは、幼少期の家庭環境と持ち前の探究心に根ざしています。子どもの頃から母親の手料理を手伝い、食材が熱や塩によって姿を変えていく過程に強い好奇心を抱いていたと手記やインタビューでも振り返っています。
その実力が世間に広く知れ渡る決定打となったのが、主演を務めた連続ドラマ『厨房のありす』でした。自閉スペクトラム症を抱えながらも、驚異的な化学知識をもとに料理で人々の心とお腹を整える天才料理人・ありす役を熱演。通常、調理シーンの多くはフードコーディネーターによる吹き替えや手元の差し替え撮影が行われますが、本作では門脇麦自身がほぼすべての包丁さばきやフライパンワークを担当しました。
制作関係者の証言によると、「千切りのスピード、桂剥きの薄さ、魚の三枚おろしに至るまで、現場のプロ料理指導陣が口を揃えて『指導することが何もない』と舌を巻いていた」といいます。現場の合間にも食材の切り分け方や火入れの温度についてスタッフと専門的な議論を交わすなど、役作りを超えた本物の情熱が画面越しにも伝わり、彼女の料理の腕前に対する信憑性は不動のものとなりました。