夜驚症が最も多く見られるのは2歳〜6歳頃の幼児期であり、有病率は子どもの数%から十数%にのぼります。小学校入学前後を境に中枢神経系が発達して睡眠リズムが安定するため、多くの場合は小学校高学年(10〜12歳頃)までに自然治癒します。思春期以降まで症状が続くケースは極めてまれです。
また、ネット上などで「夜驚症は発達障害のサインではないか」と心配する声も散見されます。結論として、夜驚症そのものが自閉スペクトラム症(ASD)やADHD(注意欠如・多動症)などの発達障害を直接意味するわけではありません。定型発達の子どもにも極めて頻繁に見られる生理的な発達現象です。
ただし、発達特性を持つ子どもは「日中の刺激に対する感覚過敏」や「急激な環境変化によるストレス」を受けやすく、さらに脳の覚醒調節に関わるメラトニン分泌のリズムが崩れやすい傾向があります。その結果として、二次的に夜驚症の頻度が高くなったり、発作が激しくなったりすることは臨床現場でも知られています。日中の生活において強いこだわりや多動性、コミュニケーションの著しい困難さを併せ持つ場合は、総合的な発達の観点から専門機関に相談することが推奨されます。