インターネットの掲示板やSNSでは時折、「簿記1級は難易度の割にコスパが悪い」「実務では2級で十分、1級は意味がない」という極端な意見が見受けられます。なぜこのような噂が立つのでしょうか。
その背景には、合格率およそ8%〜10%前後という極めて高い難易度があります。簿記2級が商業簿記・工業簿記の基本を問うのに対し、1級では会計学や原価計算が加わり、意思決定会計や連結会計の難解な論点が容赦なく出題されます。1000時間以上机に向かっても不合格になる受験生が多いため、「割に合わない」と感じてしまう人が一定数存在するのです。
しかし、中堅・中小企業のルーティンワークにとどまらず、複雑な企業グループの連結決算、海外子会社の会計基準統合、原価管理による製造コスト削減といった「高度な課題」を抱える大企業にとって、簿記1級の知識は喉から手が出るほど欲しいスキルです。「簿記2級保持者は数十万人いるが、1級保持者はごくわずか」という圧倒的な差別化要素こそが、転職市場でプレミアム評価を受ける原動力になっています。