世界地図を見ると、日付変更線は経度180度線に忠実に沿っているわけではなく、ベーリング海峡や南太平洋で極端に曲がりくねっています。この形状になっている決定的な理由は、「同一の国や生活圏の中で日付が2つに分断されるのを防ぐため」です。
もし経度180度線に沿って厳密に直線を引いてしまうと、陸地や群島を縦断することになります。同じ国内のある島では月曜日なのに、隣の島では日曜日という事態が起きれば、役所の行政手続き、学校の授業、金融機関の決済、物流の手配など、あらゆる社会活動に深刻な混乱が生じます。
実は、日付変更線には国際連合や万国標準時会議などの国際機関が法的に強制した単一の条約が存在しません。国際法上、自国の領土でどの標準時(タイムゾーン)を採用し、日付をどちら側に合わせるかは、各国の主権によって自由に決定できます。そのため、各国が自国の経済活動や統治の利便性を考慮して標準時を宣言した結果、その外枠をつなぎ合わせた境界線が現在のような複雑なジグザグ形状を描くことになりました。