本作の最大の魅力は、実力派キャスト陣が織りなす圧倒的なアンサンブルです。物語の中心となるのは、女子刑務所の「雑居房」で寝食を共にした元女囚たちと、彼女たちを監視しながらも共犯関係を結んでいく女性刑務官。それぞれのキャラクターには過去の罪と固有の「あだ名」が設定されており、複雑に絡み合う人間関係が物語を駆動します。
主役の馬場カヨを演じるのは小泉今日子。夫の不倫相手を刺そうとして殺人未遂で服役した主婦で、房内では「冷静に」と自戒を込めたあだ名で呼ばれます。グループのまとめ役でありながら、どこか抜けている人間味溢れるリーダー像を見事に体現しました。
元受刑者たちを冷徹に指導しつつ、復讐計画の頭脳(作戦参謀)として暗躍する刑務官・若井ふたば役には満島ひかり。「先生」と呼ばれ、規律を重んじる厳しい態度と、仲間を守るために見せる情熱的な眼差しのギャップが視聴者を強く惹きつけました。
さらに、巨額脱税で服役した元カリスマ経済アナリスト・勝田千夏(あだ名:財テク)を演じる菅野美穂が、知性とユーモアを兼ね備えた立ち回りでドラマに軽快なテンポを与えています。詐欺罪の大門洋子(坂井真紀 / 女優)、覚醒剤取締法違反の足立明美(森下愛子 / 姐さん)、そして婚約者・板橋吾郎に殺人の濡れ衣を着せられた悲劇のヒロイン・江戸川しのぶ(夏帆 / 姫)が加わり、前代未聞の「おばさん復讐チーム」が完成します。
対する宿敵・板橋吾郎を演じるのが伊勢谷友介です。大手乳業メーカー「江戸ミルク」の社長の座を奪い、自らの罪をしのぶに擦り付けた冷酷非情なナルシストを怪演し、物語の対立構造を際立たせました。