実際のビジネス現場や採用活動において、「少しづつ」という表記はどのように受け止められているのでしょうか。大手企業の採用担当者や校正現場の実務者にヒアリングを行うと、世代間ギャップと企業文化によるシビアな現実が浮き彫りになります。
大手IT企業の人事部長は、採用書類における仮名遣いについて次のように語ります。
「履歴書やエントリーシートに『少しづつ業務に慣れ…』と書かれていても、それ単体で即座に不採用にすることはありません。しかし、文章全体の推敲レベルを見る指標の一つにはなります。特に広報、人事、法務、営業など、社外へ向けた公式文書を日常的に扱う職種を志望している場合、公用文の基礎知識が身についていないと見なされる懸念は否定できません」
また、出版社の現役校閲記者も現場の空気感をこう証言します。
「メディア業界の人間にとって、『少しづつ』『1人づつ』という表記は、原稿上で真っ先に赤字を入れる対象です。昭和の時代に教育を受けた50代以上の管理職や役員層の中には、『づつ』という表記に対して『言葉遣いが粗い』『変換ミスに気づいていない』とネガティブな違和感を抱く層が確実に一定数存在します」
余計なノイズや減点リスクを避けるという意味において、ビジネスメールや公的な提出書類では、意図的に「少しずつ」を選択することが最も確実な自衛策となります。