なぜ衆議院が強いのか?衆議院の優越の理由と権限比較をプロが徹底解説

なぜ衆議院が強いのか?衆議院の優越の理由と権限比較をプロが徹底解説

なぜ衆議院が強いのか?衆議院の優越の理由と権限比較をプロが徹底解説についての最新情報をご紹介します。

Q1:なぜ内閣不信任決議権は衆議院だけに認められ、参議院にはないのですか?
A1:内閣不信任決議は内閣を総辞職に追い込むか、衆議院解散によって国民に信を問わせる強大な権限です。参議院には解散制度が存在しないため、内閣を道連れにして自らも解散で民意を問うことが構造上できません。自ら身分を失うリスクを負わない院に内閣の進退を決める権限を与えるのはバランスを欠くため、衆議院のみの専権とされています。なお、参議院は法的拘束力のない「問責決議」を行うことができます。

Q2:衆議院が可決した法案を参議院が無視し続けた場合はどうなりますか?
A2:参議院が法案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて60日以内に議決しない場合、憲法第59条第4項の規定により「参議院が法案を否決した」とみなすことができます。これにより、衆議院は参議院の審議を待たずに、出席議員の3分の2以上の賛成をもって即座に再可決の手続きへ進むことが可能です。

Q3:過去に衆議院の優越によって首相指名がねじれた実例はありますか?
A3:歴史上、複数回発生しています。代表的な事例として、1989年の宇野宗佑内閣退陣に伴う首相指名選挙(衆議院は海部俊樹氏、参議院は土井たか子氏を指名)、1998年の小渕恵三内閣発足時(衆議院は小渕氏、参議院は菅直人氏を指名)、2007年の福田康夫内閣、2008年の麻生太郎内閣発足時(参議院はいずれも小沢一郎氏を指名)などがあります。いずれも両院協議会で合意に至らず、憲法第67条第2項の規定により、衆議院が指名した候補が内閣総理大臣に就任しました。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。