不動産鑑定士試験が「三大国家資格」と呼ばれる最大の理由は、土地や建物という国家経済の基盤を担う独占資格であり、選考プロセスが極めて過酷な二段階選抜制を採っている点にあります。国土交通省の土地鑑定委員会が公表する実施結果を見ると、最終的な関門を突破できる受験者は、出願者全体の約5%前後にとどまります。
試験は1次試験に相当する「短答式試験(マークシート式)」と、2次試験の「論文式試験(記述式)」に分かれています。短答式試験の合格率は例年30%〜35%程度で推移しており、一見すると門戸が広く感じられるかもしれません。しかし、短答式を通過した上位層のみが挑む論文式試験の合格率は約14%〜16%まで絞り込まれます。
民間大手スクールや教育機関が算出する資格難易度の偏差値ランキングにおいて、不動産鑑定士は偏差値68前後に格付けされています。これは国家公務員総合職や司法書士に匹敵する水準です。単なる知識の暗記にとどまらず、複雑な経済事情や個別不動産の個別性を論理的に文章化する高度な思考力が求められるため、生半可な準備では足切りに遭う過酷な競争環境が敷かれています。