ネット上のSNS投稿や観光ブログを見ると、串やカップを片手に街中を闊歩する様子が華やかに描かれています。しかし、ここには観光都市・小田原が直面している極めて現実的な問題と、旅行者が陥りがちな誤解が存在します。
第一の誤解は、「どこでも歩きながら食べて良い」という認識です。小田原かまぼこ通りは観光専用の歩行者天国ではなく、生活道路であり、一般車両の交通量も少なくありません。串を持ったまま狭い歩道を歩道いっぱいに広がって歩く行為は、歩行者同士の接触事故や衣服を汚すトラブルに直結します。地元自治体や商店街振興組合も、食べ歩きマナーとして「購入した店舗のイートインスペース、あるいは店先のベンチで食べ切ってから移動すること」を強く推奨しています。
第二の盲点が「ゴミ箱の枯渇問題」です。街の美観維持やテロ対策の観点から、公道上のゴミ箱は最小限に抑えられています。食べ歩きで発生した串や包み紙、プラスチックカップを自動販売機の空き缶入れに無理やり押し込んだり、民家の軒先に放置したりする事例が問題視されています。購入店でゴミを回収してもらうか、自身で小さなビニール袋を持参して持ち帰るのが、歴史ある宿場町を愛する旅行者としての最低限のエチケットです。
また、小田原城址公園の敷地内においては、国の指定史跡としての厳格な保全ルールが存在します。天守閣の内部はもちろん、歴史的展示物の周辺での飲食は厳禁です。城内で軽食を楽しむ際は、必ず芝生エリアのベンチや本丸売店前の休憩スペースを利用してください。城周辺にはトビ(トンビ)が生息しており、上空から食べ物を狙って急降下してくる被害も報告されています。周囲の安全確認を怠らない注意が求められます。