敷き紙を整えた後は、その上に各種の縁起物を順番に重ねていきます。この積層構造には、それぞれ日本の自然観と繁栄への祈念が体系化されています。
重ねる順番は以下の通りです。
- 三宝(またはお盆・平皿):神事の器となる台座。
- 半紙または四方紅:前述の通り、ツルツルした表を上にし、角を手前に向けて敷く。
- 裏白(うらじろ):シダ植物の一種。白い葉裏を上に向けて重ねる。「心に裏表がない潔白さ」や「白髪になるまでの長寿」を意味するため、あえて裏面を見せるのが作法。
- ゆずり葉(手に入る場合):親から子へと家が絶え間なく代々受け継がれることを祈る象徴。
- 鏡餅(大小二段):下が大きく、上が小さい。太陽(陽)と月(陰)を表し、福徳が重なることを示す。
- 昆布・干し柿(串柿)など:「よろこぶ」、柿は「嘉来(福が来る)」に通じる飾り付け。
- 橙(だいだい):最上部に据える。「代々家が栄える」という語呂合わせと生命力の象徴。温州みかんではなく、本来は冬を越しても木から落ちずに次の世代の実をつける「本橙」を用いるのが本義。
飾る場所としては、伝統的には床の間が最上とされてきましたが、現代の住宅では神棚、またはリビングの中心となる清潔で明るい場所が適しています。歳神様は家族が集まる場所を訪れるとされているため、家族の目線より高い位置に飾るのが敬意を示すポイントです。玄関に飾るケースも見受けられますが、玄関は「神様をお迎えする門口(通過点)」であり、腰を落ち着けていただく本席ではないため、本来の居場所としては家族が集う室内が望ましいとされています。