虫ゴムやバルブ周りに異常がないにもかかわらず、2〜3日かけて徐々にタイヤが凹んでいく場合、直面しているのは「スローパンク」です。スローパンクとは、植物のトゲ、微細な金属片、極小のガラス片などがタイヤのトレッド面に突き刺さり、チューブに0.1mm以下の微細なピンホールを開けてしまう現象を指します。一気に空気が抜けないため、走行直後は違和感がなく、翌日や数日後に駐輪場で初めて気づくケースが後を絶ちません。
スローパンクの原因と見分け方には実践的なプロのノウハウがあります。タイヤに規定の空気圧を満たした状態で水を入れたバケツや洗面台にチューブを浸し、少しずつ手で引っ張りながら気泡を探します。このとき、数秒間に1粒程度の極めて小さな泡が浮上してくる箇所があればスローパンクと確定できます。注意すべきは、チューブ側の穴を塞ぐだけでなく、「タイヤの内側と外側を指でなぞり、刺さったままになっている異物を完全に取り除く」作業を怠らないことです。異物を残したままパッチを貼っても、再走行時に即座に同じ箇所へ穴が開き、再発のループに陥ります。
もうひとつ、段差を乗り越えた直後に起きやすい致命的な損傷が「リム打ちパンク(スネークバイト)」です。空気圧が不足した状態で歩道の段差やアスファルトの窪みに勢いよく乗り上げると、タイヤが衝撃を吸収しきれず潰れ、ホイールの金属枠(リム)と地面の間でチューブが強く挟み込まれます。その結果、まるで蛇に噛まれたように平行に2箇所の裂け目が生じるのが特徴です。
リム打ちパンクの対処法としては、小さな丸い穴と異なり縦に大きく裂けるケースが多いため、通常の修理パッチでは圧力を抑えきれず、原則としてチューブ交換が推奨されます。応急処置として大判のパッチを2枚貼って塞ぐ手法も存在しますが、空気圧を上げた際にパッチの端から裂け目が広がるリスクが高く、走行安全性を考慮すれば根本解決には至りません。