当メディアが実際に完全独学で合格を果たした受験者や、ドラッグストア現場の従事者へ取材を行ったところ、リアルな本音と資格制度特有の注意点が浮き彫りになりました。
SNSや合格体験手記では、次のような生々しい声が寄せられています。
「医療知識ゼロからのスタートで、第3章の抗コリン作用やアドレナリン作動成分の項目に入った時は本当に絶望した。だが、過去問アプリで毎日50問ずつ解き続けたら、2ヶ月目を過ぎたあたりからパズルのように選択肢の誤りが見抜けるようになった」(30代・主婦合格者)
「通信講座に4万円払った友人と、メルカリで揃えた中古本で勉強した自分。結果は二人とも合格だったが、古い本を使っていた自分は法改正箇所の問題で危うく足切りを食らいそうになった。最新のテキスト代の数千円をケチってはいけない」(40代・異業種転職組)
さらに、多くの初学者が誤解しているのが「実務経験と受験資格」の関係性です。平成27年度の制度改正以降、登録販売者試験は学歴・年齢・実務経験を一切問わず、誰でも受験可能となりました。しかし、試験に合格したからといって、その日から即座に一人で売り場に立てるわけではありません。
医薬品医療機器等法(薬機法)の定めにより、単独でOTC医薬品の販売管理を行う「正規の登録販売者」になるには、過去5年以内に通算2年以上(月80時間以上等)、または過去に通算1年以上の実務経験(店舗管理者としての要件を満たす追加条件あり)が必須とされています。実務経験を満たしていない合格者は、名札に「登録販売者(研修中)」と表記され、薬剤師または正規の登録販売者の管理・指導下でしか医薬品を販売できません。「資格を取れば明日からすぐに独立して薬局が開ける」という誤認を持たないよう、出口戦略を理解しておくことが不可欠です。