公開される天下一植物界の出店者一覧には、植物界の重鎮からSNSで圧倒的フォロワーを抱えるインフルエンサー生産者まで、錚々たる顔ぶれが並びます。特に毎回凄まじい熱気を帯びるのが、近年の植物トレンドを牽引し続けるアガベ・チタノタ(オテロイ)の選抜血統株や、マダガスカル原産の塊根植物(コーデックス)のブースです。
SNS上に投稿される「天下一植物界の戦利品レポ」を精緻に分析すると、購入者の動向は大きく二極化しています。一方は、シーザー、ハデス、白火焔、SAD(南アフリカダイヤモンド)といった誰もが知る超人気血統の極上子株や胴切り天芽を指名買いするコア層。もう一方は、現地実生株の個性的な塊根フォルムを持つパキポディウム・グラキリスやオペルクリカリア・パキプス、あるいはビカクシダ(コウモリラン)のドワーフ種や胞子培養変異株をじっくり見定め、掘り出し物を発掘する愛好家層です。
しかし、戦利品レポの華やかな投稿の裏側には、現場ならではのシビアな現実も横たわっています。「開場5分で有名ブースの限定株は完売していた」「狙っていた作家鉢のコラボ株が目の前で売れてしまった」という悔恨の声は枚挙にいとまがありません。一方で、午後を過ぎると出店者がブース内で気さくに栽培アドバイスを語ってくれたり、値引きやオマケの相談に応じてくれたりといった、対面販売ならではの温かいドラマが生まれるのも事実です。写真映えするハイエンド株だけでなく、生産者の想いが詰まった中苗や普及種に目を向けることこそが、満足度の高い戦利品を手に入れる秘訣と言えます。