派遣会社の登録面談や中途採用の実務試験において、真っ先に測定されるのがタイピング速度です。大手派遣会社のスキルチェックデータによると、実務で支障なく業務をこなせる基準値は1分間あたり100〜120文字(日本語入力)とされています。80文字を下回る場合、電話を受けながらの顧客メモ入力や、リアルタイムでのチャット対応で大幅な遅延が生じ、現場での負担が激増します。
インターネット上の掲示板やSNSでは「事務職ならブラインドタッチができなくても採用された」という体験談が散見されますが、これは人手不足の現場や入力業務が極めて少ない特殊なケースに過ぎません。実際の現場観察では、キータッチが遅い社員ほど手元に視線が固定され、入力ミスや変換ミスへの気付きが遅れる傾向が顕著です。
そして、選考の最大の山場となるのがExcelスキルです。採用担当者が「Excelの基本操作ができますか?」と質問した際、応募者が「表に数値を打ち込んで四則演算ができます」と答えた場合、中途採用の実務枠では評価が伸び悩みます。現代の事務職に求められるExcelの基本操作の目安とは、「既存の数式やフォーマットを壊さずに運用できること」、そして「VLOOKUP関数やピボットテーブルを用いて、数万行のデータから必要な情報を抽出できること」を意味しています。この実態を認識しているか否かが、採用可否の大きな分水嶺となります。