民間マナー指導機関が実施した「ビジネスパーソンの年始書状・メールに関する実態調査(有効回答数1,200名)」によると、全体の43.8%が何らかの賀詞の重複ミスを過去に犯していた、あるいは現在も知らずに書いているという衝撃的な傾向が浮かび上がっています。SNSやビジネス掲示板でも「上司から送られてきた年賀状に重複があった」「自分の文面が恥ずかしい重複になっていたことに後から気づいた」という告白が後を絶ちません。
最も典型的な過ちが、謹賀新年 あけましておめでとうございます 重複です。年賀状の表面や印刷部分に大きなフォントで「謹賀新年」と刷られているにもかかわらず、手書きの添え書きや本文の1行目に「あけましておめでとうございます」と書いてしまうパターンがこれに該当します。
年賀状 賀詞 重複の理由は、「謹賀新年」を単なる季節の装飾タイトルやイラストの一部と錯覚し、手紙の本文の書き出しとして別の賀詞を書き足してしまう心理にあります。前述の通り、「謹賀新年」という四字自体が「謹んで新春の喜びをお慶び申し上げます」という完結した文章です。その直後に「あけましておめでとうございます」を重ねる行為は、「頭痛が痛い」「後で後悔する」といった重言(同義重複)と同じであり、知的な文章構成とは言えません。
さらに見落としがちな重複表現として「一月一日 元旦」が挙げられます。「旦」という漢字は「地平線から太陽が昇る朝」を象形した文字であり、「元旦」そのものが「1月1日の早朝(元日の朝)」を指します。したがって、「令和〇年 一月一日 元旦」と並べてしまうと、「1月1日の1月1日の朝」という意味がダブることになります。正しくは「令和〇年 元旦」とするか、「令和〇年 一月一日」と日付のみを記載するのが日本語としての正確な作法です。