晴天の日にぬいぐるみをベランダへ干し、パンパンと叩いて取り込む光景は昔から親しまれてきました。しかし、ぬいぐるみのダニに対する天日干しの効果は、湿気を飛ばして一時的に増殖を抑える程度にとどまり、すでに棲みついたダニを全滅させる力はありません。
ダニ(主にチリダニ類)が死滅する条件は、「50℃の熱で20〜30分以上」、もしくは「60℃以上の熱に瞬時にさらすこと」です。真夏の直射日光であっても、ぬいぐるみ表面の温度はせいぜい35〜45℃程度にしかなりません。さらに危険なのは、光や熱を嫌うダニの習性です。表面が温まると、ダニは温度の低い「中綿の中心部」へ一斉に逃げ込んで難を逃れます。
取り込み時に布団叩きなどで強く叩く行為も逆効果です。衝撃でダニの死骸やフンが細かく粉砕され、繊維の隙間から表面へと浮き上がり、かえってアレルゲンを吸い込みやすい状態を作り出してしまいます。天日干しはあくまで「乾燥」を目的とした日常ケアであり、本格的な駆除には別の手段が必要です。