この言葉のルーツは、日本の神道や土着信仰における儀礼用語「神憑り(かみがかり)」にあります。本来の漢字表記は「神懸かる」または「神憑る」と書き、神仏の霊魂が巫女や祈祷師などの人間に宿り、トランス状態で神託を告げる現象そのものを指していました。
明治から大正、昭和へと時代が進むにつれ、宗教的な儀礼から離れ、「常軌を逸した鋭敏さや異様な気迫」「熱狂して我を忘れる様子」を比喩的に「神がかり」と呼ぶ慣用句へと変化しました。
さらに2000年代以降のインターネット文化において、「神曲」「神対応」「神ゲー」といった最高峰の賛辞として「神」を接頭辞のように使うネットスラングが定着。「神懸かる」という古風な動詞が再びカジュアルな形で掘り起こされ、現在のようなポジティブな称賛表現として広く定着しました。