古い圧力鍋の多くは、フタの中央に金属製のノズルが突き出ており、その上に蒸気排出用の「重り」を乗せる構造を採用しています。この仕組みは、内部の蒸気圧が一定の限界に達した際、蒸気の力で重りを押し持ち上げ、隙間から「シュシュシュ」と蒸気を逃がすことで鍋内部の圧力を一定に保つ古典的かつシンプルな制御方式です。
重り式は視覚的・聴覚的に圧力がかかっていることが分かりやすい利点がある一方、重り自体のパイプ内部に汚れが溜まりやすい弱点があります。現在の圧力鍋は、主圧力調整弁に加えて「予備安全弁」「圧力感知安全装置」など多重のバックアップ構造が義務付けられていますが、昭和時代の初期型モデルでは安全装置が1系統しかないケースもあり、重りの穴が詰まっただけで一気に危険域へ達するリスクを抱えています。