岩本照の演技力に対する評価は、一朝一夕に築かれたものではありません。初期の重要作である『BAD BOYS J』(2013年)では、広島の覇権を争う不良グループ「極楽蝶」のナンバー2として、言葉よりも行動で語る男の美学を提示しました。当時から共演者やスタッフの間では、パンチやキックの軌道の美しさ、受け身の正確さが話題となっていました。
翌年の『SHARK』(2014年)では、メジャーデビューを目指すロックバンドのドラマー・里見憲三役を担当。バンド崩壊の危機に直面しながらも、仲間への情熱と現実の狭間で葛藤する内面芝居を披露し、単なるアクション要員ではないドラマ俳優としてのポテンシャルを証明しました。
さらに2019年の『チート〜詐欺師の皆さん、ご注意ください〜』では、詐欺グループを追うエリート刑事役に抜擢。主演の本田翼や直属の上司役を演じた風間俊介ら手練れのキャスト陣と丁々発止のやり取りを展開し、台詞のテンポ感や目の動きだけで心理状態を語る抑制の効いた演技が、業界関係者の間でも高く評価される契機となりました。