デジタルスクリーンで漫画を読むことが当たり前になった現在、画面から流れてくる「音のない空気感」がZ世代を中心とする若年層に強く刺さっている。スマートフォンでスクロールしながら読む縦スクロール漫画(Webtoon)において、静寂を描く演出は極めて高い親和性を見せる。
音線(オノマトペ)を一切排除した無音のコマが連続したあとに、一瞬の視線交錯や手話のグラフィックが打ち込まれる——その静と動のコントラストは、まるで映画のシネマティックな演出を体感しているかのような没入感を生み出す。倍速視聴や情報過多の時代において、あえて「静けさ」に浸り、じっくりと絵から感情を読み取る体験が、多忙な現代人の癒やしと新鮮な驚きとなっているのだ。