こうした居住施設の根拠となっているのが、昭和24年に制定された「国会議員の議員宿舎等に関する法律」である。同法は、地方選出の議員が首都・東京で安定して政治活動に専念できるよう、適切な居住施設を割当・提供することを定めている。法的な位置づけとしてはあくまで「職務の円滑な遂行」を支える福利厚生および危機管理拠点という建前だ。
家賃の決定手続きについては、国有財産を管理する財務省の評価基準に基づき、施設の維持管理や運営を担う衆議院事務局(および参議院事務局)が細かな算出基準を定めている。だが、市場の需給バランスによって跳ね上がる民間の賃料とは異なり、公的な積算式では地価の高騰が直接的に反映されにくい構造が存在する。結果として、都心の一等地に位置しながらも、市場価格から遠くかけ離れた「超格安家賃」が制度的に維持される仕組みが完成しているのだ。