インターネット上の掲示板やSNSでは、時に「ジェンダーの話題を利用したキャラ付けやマーケティングではないか」という無責任な憶測や誤解が囁かれることがあります。しかし、事実関係をつぶさに検証すれば、そうした見方がいかに的外れであるかは明白です。
第一に、莉犬くんが公表を行った2017年当時のネットカルチャーにおいて、性同一性障害の告白は活動者としての生命を絶たれかねない極めてハイリスクな行為でした。商業的なメリットなど皆無に等しく、むしろ中傷や偏見の標的になるリスクの方が圧倒的に高かったのです。
第二に、自著やインタビューで語られている幼少期からの精神的苦痛、医療機関での診断、そして実際に渡航して受けた外科手術の負担は、作り物の「設定」で耐えられる領域を遥かに超えています。莉犬くんは常に自身の弱さや痛みを美化せず、泥臭い葛藤も含めて提示してきました。冷やかしや誤解を乗り越えられたのは、彼が発信し続けてきた言葉と行動の圧倒的な一貫性によるものです。