内館牧子の代表作を語る上で欠かせないのが、作品を世に送り出してきたテレビ局との化学反応だ。特にNHKとTBSテレビという二大局で展開されたドラマ群は、それぞれ異なるアプローチで時代を牽引した。
NHKにおいては、『ひらり』をはじめ、大河ドラマ『毛利元就』や数々の単発ドラマで重厚かつ洗練された人間ドラマを提供してきた。公共放送としての枠組みを守りつつも、人間の業や歴史の波に翻弄される人々の心情を丹念に描き切る手腕は高く評価されている。
対照的にTBSテレビの連続ドラマ枠では、人間のドロドロとした愛憎や欲望を前面に押し出した挑戦的な意欲作を連発した。『週末婚』に代表される愛憎劇は、金曜夜の茶の間に強烈なインパクトを与え、高い視聴率を叩き出した。保守的な枠組みを打ち破る尖った企画力と内館脚本の鋭利な毒が見事に噛み合った結果と言えよう。