5疾病6事業とは?追加の理由と覚え方・2026年最新医療計画を解説

5疾病6事業とは?追加の理由と覚え方・2026年最新医療計画を解説

5疾病6事業とは?追加の理由と覚え方・2026年最新医療計画を解説の疑問点について、分かりやすい解説を詳しくお届けします。

法令上の美しい整理とは裏腹に、全国の医療現場を取材すると、5疾病6事業の維持体制は極めてシビアな現実と戦っています。とりわけ救急医療・周産期医療・へき地医療の3事業は、2026年4月に全面施行された「医師の働き方改革(時間外労働上限規制)」の強い波紋を受け、提供体制の再構築を迫られています。

救急医療の最前線では、都市部を中心に「救急搬送困難事案」が高止まりを続けています。取材に応じた首都圏の救命救急センター長は次のように現場の疲弊を語っています。
「高齢化により、複数の基礎疾患を抱えた要介護者の救急要請が激増しています。急性期治療が必要な重篤患者だけでなく、身寄りがなく在宅療養が破綻した『社会的救急』の受け入れ先が見つからず、当直帯の医師と病床が拘束されてしまう。制度上の救急医療体制が、高齢者介護の受け皿不足によって目詰まりを起こしているのです」

周産期医療においても構造問題は深刻です。少子化の急加速に伴い分べん件数自体が減少するなか、産婦人科医・麻酔科医の不足と過酷な当直環境を理由に、一般病院が分娩の取り扱いを休止・撤退する動きが止まりません。ハイリスク分娩を担う総合周産期母子医療センターへの一極集中が進んだ結果、地方都市では「自宅から分娩可能施設まで車で1時間以上かかる」というアクセス格差が常態化しています。

へき地医療に至っては、地方自治体による医師派遣要請や自治医科大学卒業医師の配置、オンライン診療の実証実験などが総動員されているものの、地域偏在の溝は埋まっていません。厚生労働省が公表する「医師偏在指標」を見ても、大都市圏とへき地を抱える過疎地域との乖離は是正されておらず、医療計画で定める目標値と現場の実情との間には依然として深いギャップが存在します。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。