視聴者の間で終盤まで激しい考察が飛び交った「誰が澪奈を殺したのか?」という問いに対し、ドラマが提示した回答は極めて重層的でした。物語の表面上における悪役は、テレビ出演で知名度を誇り「生徒思いの熱血教師」を演じていた武智大和(田辺誠一)です。武智は自らの息がかかったスポーツ強豪大学への推薦枠を維持するため、推薦を断った澪奈を逆恨みし、半グレ集団「ベルムズ」を使ってドーピング捏造動画を作成させました。
武智の罪が白日の下に晒された瞬間、SNS「マインドボイス」の世論は一転し、武智への凄絶なバッシングが吹き荒れます。しかし、柊の目的は武智を断罪して終わることではありませんでした。武智が動画を作らせたことは事実であるものの、「武智自身が澪奈をビルから突き落として殺害したわけではない」という衝撃の事実が明かされます。
防犯カメラに映っていた「武智が澪奈をビルに連れ込む映像」すらも、柊が特撮のVFX技術と変装を駆使して作成した精巧なフェイクでした。武智という分かりやすい悪人をあえて世論の生贄に捧げることで、柊はネット民が「証拠も確かめずに他者を徹底的に叩きのめす残酷な習性」を自らの手で証明してみせたのです。