宝塚を退団後、映画『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ』で冷徹な警察幹部・沖田仁美役を演じたことで、彼女の「クールで厳しい」イメージは一気に定着した。フジテレビ系の大ヒットシリーズにおいて、眉一つ動かさずに指示を出す冷血な役柄を見事に演じ切った演技力は、皮肉にも彼女自身の性格と混同される結果となったのだ。
ところが、主演ドラマ『さくらの親子丼』の撮影現場で見せた姿は、そのパブリックイメージを鮮やかに裏切るものだった。傷ついた若者たちを受け止める九十九さくら役を演じた彼女は、カメラが回っていない時間にも若手キャストたちの悩みに親身になって耳を傾けていたという。緊迫したシーンの合間にも気さくに冗談を飛ばし、現場の空気を和らげるムードメーカーとしての顔。役にどこまでも憑依するプロ意識と、共演者を包み込む母性が同居しているのが、テレビドラマの現場で知られる彼女の素顔だ。