土俵の緊張を裁く名行司「式守伊三郎」波乱の軌跡と判定の美学

土俵の緊張を裁く名行司「式守伊三郎」波乱の軌跡と判定の美学

土俵の緊張を裁く名行司「式守伊三郎」波乱の軌跡と判定の美学の全貌を分かりやすくまとめてご紹介します。

歴代の式守伊三郎が歩んだ道は、決して平坦なものではなかった。時には物待ったなしの緊迫した場面で、巨体が激突する土俵際の攻防を間近で裁かねばならない。足を踏み外せば大怪我に繋がるリスクを抱えながら、瞬時に軍配を挙げる覚悟が求められる。

特に昭和の時代に活躍した伊三郎の裁きは、今も古くからの好角家の間で語り草となっている。物言い(審判団による協議)がついた際にも、自らの見解を揺るがせることなく堂々と説明する姿は、行司の誇りそのものだった。判定の美学とは、単に勝敗を正しく当てることだけではない。流れるような所作、力士の呼吸に合わせた「はっけよい、残った」の呼び上げ、そして軍配を挙げる一動作の完成度。そのすべてが合一した時、土俵には神聖な美しさが宿るのだ。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。