大阪市内を津波の直撃から守る最大の要となるのが、安治川・尻無川・木津川に設置された巨大アーチ型水門、通称「三大水門」をはじめとする防潮堤ネットワークです。平常時は船舶の航行のために開かれているこれらの水門は、津波襲来前に完全に閉鎖されなければなりません。
大阪府では、地震感知に伴う自動閉鎖システムや遠隔操作システムの二重化を進めており、停電時でも非常用発電機や油圧駆動により地震発生後30分以内の全門閉鎖を目指す運用体制を敷いています。
しかし、直下の大揺れによる地盤変形や瓦礫の挟み込み、遠隔制御回線の寸断など、不測の事態で水門閉鎖が遅延・不能となった場合、防潮堤の内側へ一気に海水が雪崩れ込むことになります。大阪府の浸水想定シミュレーションには「水門が機能した場合」と「水門が閉鎖できなかった場合」の双方が提示されており、防災計画では常に最悪のシナリオを念頭に置いた行動基準が求められています。