テレビシリーズの熱狂が頂点に達する中、仕掛け人であるレベルファイブの日野晃博は、劇場版でもそのアグレッシブな姿勢を一切崩さなかった。『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン』は、興行収入数十億円を叩き出すメガヒットを記録したが、その根底に流れていたのもまた、観客を飽きさせないエンタメの連続技だった。
日野晃博が率いるレベルファイブの手腕は、緻密なクロスメディア戦略と予測不能なユーモアの融合にある。劇場の大スクリーンでも、王道の感動ストーリーを描く一方で、突如として放り込まれる昭和特撮や名作映画のオマージュ。子供を物語に引き込みつつ、付き添いの保護者の心を鷲掴みにする緻密な計算がそこにはあった。子供騙しを徹底的に排除したクリエイターの気概が、歴史的大ヒットを支えたのだ。