長年にわたり日本のデニム文化を牽引してきたビッグジョンが、一部で時代遅れと見なされてしまう背景には、ブランドの長い歴史ゆえのいくつかの要因が存在します。ネット上の口コミやファッショントレンドの変遷を分析すると、主に以下の3点に集約されます。
第1の要因は、昭和後期から平成初期における量販店展開のイメージです。当時、全国のスーパーマーケットや大型衣料量販店のジーンズ売り場に広く流通していたため、「お父さんが休日に適当に履く安価なジーパン」というファミリー向けの印象が刷り込まれてしまいました。
第2に、ヴィンテージ特有の武骨なシルエットが挙げられます。創業初期のDNAを受け継ぐクラシックなレギュラーストレートは、股上が深くワタリ(太もも回り)にゆとりがある設計です。近年のスマートな細身スタイルや洗練されたワイドテーパードに慣れた若い世代からは、「全体的に太くて野暮ったい」と映ってしまった時期がありました。
第3は、「国産第一号」という重厚な歴史がもたらすシニア層向けの先入観です。歴史の長さが裏目に出て、「昔のブランド」「シニア世代が愛用するもの」という固定観念を抱かれ、トレンドの最前線から外れたブランドだと誤認されるケースが後を絶ちませんでした。