旅の計画を立てる際、「日本三名園」や「新日本三景」と混同してしまうケースが少なくありません。それぞれの目的や成立背景を整理すると、違いが明確になります。
1. 日本三名園との違い
日本三景が「自然の海浜・島嶼景観」を中心としているのに対し、日本三名園は江戸時代の大名が造営した「大名庭園(人工美)」を指します。具体的には以下の3つです。
- 兼六園(石川県金沢市):加賀藩前田家が築いた廻遊式庭園。「雪吊り」で有名。
- 後楽園(岡山県岡山市):岡山藩池田家が築いた開放的な芝生主体の庭園。
- 偕楽園(茨城県水戸市):水戸藩徳川斉昭が開いた、梅の名所として知られる庭園。
2. 新日本三景との違い
「新日本三景」は、1915年(大正4年)に実業之日本社が主催した読者投票をもとに選定されたものです。近代日本の新しい観光資源を発掘する意図があり、以下の3カ所が選ばれました。
- 大沼(北海道七飯町ほか):駒ヶ岳と湖沼群が織りなす雄大な北の自然。
- 三保松原(静岡県静岡市):富士山を望む駿河湾沿岸の松原(世界文化遺産構成資産)。
- 耶馬渓(大分県中津市):奇岩と渓谷が連なる耶馬日田英彦山国定公園の中心地。
歴史の深さや古典的な文脈を味わいたいなら「日本三景」、広大な近代のパノラマ美を楽しみたいなら「新日本三景」、洗練された作庭美に触れたいなら「日本三名園」というように、旅の目的に応じて選ぶのが理想的です。