卒塔婆の独特な形状は、仏教の宇宙観である「五大思想(地・水・火・風・空)」を具現化した五輪塔(ごりんとう)を平面の板で表したものです。上部から刻まれた切れ込みによって、5つの部位がはっきりと分かれています。
各部位には、サンスクリット語を表す「梵字(ぼんじ)」が墨書されており、それぞれが宇宙を構成する要素を司っています。
卒塔婆の表面には、これら5つの梵字の下に故人の戒名(法名)、没年月日、法要の回忌名が記され、裏面には「供養年月日」と「施主名(卒塔婆を建立した人の名前)」が書き入れられます。つまり卒塔婆とは、「誰が、いつ、誰のために善行として塔を建てたのか」を仏前で明示する公的な証書としての機能も果たしています。