ネット上の情報では「マタニティウェアの代用として産前産後を完全に乗り切れる」といった声も見られますが、ここには構造上の大きな落とし穴が存在します。
最大の盲点は、「ボタン間隔を広げると、前開きのファスナー(チャック)が完全に閉まらなくなる」という点です。アジャスターで2〜3cm伸ばした場合、ファスナー上部がV字に開きやすくなります。そのため、丈の短いトップスを着用してシャツインすると、ファスナーの開きや下着、インナーが外から見えてしまう危険性があります。
また、妊娠初期(2〜4ヶ月頃)のつわりや一時的なお腹の膨らみであれば100均のアジャスターで十分対応可能ですが、妊娠中期以降(5ヶ月以降)で腹囲が10cm以上大きくなる段階では、100均のパーツだけではカバーしきれません。無理に使用するとズボン本来の骨盤ラインが崩れ、歩行時にずり落ちてしまう原因になります。
スラックスのウエストが緩い場合の留め具や代用品としてヘアゴムを活用する裏技も知られていますが、ゴムは耐久性が低く外出先で切れる恐れがあります。100均の専用パーツを使う場合でも、長めのシャツやカーディガンで腰回りを覆うコーディネートを前提とすることが不可欠です。