住宅金融支援機構などの各種統計データを総合すると、3000万円の家における頭金の相場は物件価格の10%〜20%(300万円〜600万円)程度がひとつの目安とされています。かつては「頭金2割」が不動産購入の鉄則とされていましたが、超低金利環境の継続によって「頭金ゼロ(フルローン)」を選択する世帯も増えました。
しかし、現場のFP(ファイナンシャルプランナー)や不動産コンサルタントの取材では、3000万円の住宅ローンを頭金なしで組んだ購入者から「後悔している」という相談が後を絶ちません。その最大の理由は、借入額が満額になることで毎月の返済額が高止まりし、家計の柔軟性が失われる点にあります。
さらに見逃せないのが「資産価値の下落による担保割れリスク」です。新築一戸建ては購入直後から価値が目減りするため、頭金を入れていない状態で数年後に住み替えや売却を検討しても、売却額よりローン残債のほうが多くなり、自腹で現金を補填しなければ家を手放せない事態に陥ります。「頭金なしでも買える」ことと「頭金なしで買って安全に暮らし続けられる」ことは全く別物です。