膵臓は胃の後ろ側に位置する長さ15cmほどの臓器で、生命活動を維持する上で欠かせない2大機能を担っています。一つは、炭水化物を分解するアミラーゼ、タンパク質を分解するトリプシン、脂肪を分解するリパーゼといった強力な消化酵素を含む「膵液」を十二指腸に送り出す外分泌機能。もう一つは、インスリンなどのホルモンを血中に分泌して血糖値を一定に保つ内分泌機能です。
特に注目すべきは、三大栄養素の中で脂肪を分解できる酵素がほぼ膵臓のリパーゼに限られているという点です。脂っこい食事を大量に摂取すると、膵臓はフル稼働を強いられ、大量の膵液を作り出さなければなりません。この状態が慢性化したり、アルコールによる刺激が加わったりすると、本来は十二指腸で活性化するはずの消化酵素が膵臓の内部で暴発し、自分自身の細胞を溶かしてしまう自家消化(膵炎)を引き起こします。
臨床現場の医師や管理栄養士の報告によると、急性膵炎や慢性膵炎の初期症状として現れる胃のあたりの不快感や背部痛を「ただの胃もたれ」と放置してしまう患者が後を絶ちません。健康診断で「血中アミラーゼの上昇」を指摘された段階で、すでに膵臓からの悲鳴が上がっていると認識し、速やかな食事の見直しを図る必要があります。